政府は少子化対策のため、不妊治療助成の拡充策について本格調整に入る。現在は夫婦合算で730万円未満とする所得制限を撤廃する方針だ。原則1回15万円としている助成額や、最大通算6回までとしている助成回数も増やす考え。2020年度第3次補正予算案に盛り込む方向で、今後は具体的な額や回数が焦点となる。
 菅義偉首相は不妊治療の保険適用の早期実現を目指している。厚生労働省はそれに先立ち、現行の助成制度を拡充する考えだ。
 1回の助成額は、与党が将来的な保険適用を見据え、原則30万円(初回は40万円)を提案。回数は40歳未満の場合、現行で最大通算6回だが、35歳以下なら無制限とし、第2子以降を望む夫婦のため36歳以上も1子ごとに最大6回とするよう求めている。政府はこうした提案を踏まえ、検討を進める。
 男性の治療には現在、精巣内などから精子を人工的に取り出す手術に原則1回15万円を助成している。この助成額についても、女性と同じ額に引き上げる方向だ。
 政府は与党の提言を受け、法律婚の夫婦に加え、事実婚のカップルも含めるかどうか検討する。年齢は現行通り、治療開始時点の妻の年齢が「43歳未満」を維持する方針だ。
 ただ今年度は、新型コロナウイルスの影響で治療を延期する夫婦が多く、厚労省はこうしたケースに対応するため、治療費の助成対象となる妻の年齢要件を時限的に「44歳未満」に緩和している。政府はこの措置を21年度も延長するかどうかも議論する考えだ。 (C)時事通信社