観光支援事業「Go To トラベル」をめぐり、国は札幌、大阪両市を目的地とする旅行を対象から一時除外することを決めた。11月になり、新型コロナウイルスの流行が「第3波」の様相を呈する中、事業見直しの具体像がようやく決まった。感染症の専門家は「見直しが遅過ぎる。直近の状況を見れば、除外対象に東京が入ってもおかしくない」と指摘した。
 東京医科大の浜田篤郎教授(渡航医学)は「見直しは遅過ぎる」とした上で「本来なら、2市からの出発分も除外しないといけない」と指摘。一方で「事業には経済を回すという側面もある。逼迫(ひっぱく)する2市の医療提供体制を守ることを考えれば、2市を目的地とした旅行だけを見直すのも仕方ない」と理解を示した。
 浜田氏は、対象に残る東京について「病床はかなり逼迫しており、24日には重症者が前日比10人増の51人になった」と危機感を示す。「状況は刻一刻と変化しており、事業内容は柔軟に見直す必要がある。直近の状況を考えれば、東京が除外対象に入ってもおかしくはない」と述べた。
 厚生労働省の専門家組織は、北海道について、病床逼迫具合が特に厳しいとして「行動制限などの強い対策」が必要と指摘。東京や大阪、愛知も同様の状況に「近づきつつある」とした。メンバーの一人は「東京や大阪も札幌市と同様にクラスター(感染者集団)対策が間に合っていない。国は県をまたぐ移動制限についても早めに取り組むべきだ」と話している。 (C)時事通信社