新型コロナウイルス感染が急拡大する大阪市と札幌市が24日、政府の観光支援事業「Go To トラベル」から一時除外された。年末の繁忙期を前に、旅行業界からは「売り上げが大幅に落ちる」「感染抑制できるのか」との悲鳴に似た声が上がった。
 大阪市中央区の旅館では数日前に除外報道が出て以降、予約キャンセルが増加。支配人は「稼働率が低い中でさらにお客さんが減る」と声を落とした。「そもそも除外で感染拡大を抑制できるのか」と疑問も口にした。
 「サイドブレーキをかけられたようだ」と落胆するのは観光名所「通天閣」の運営会社社長、高井隆光さん(45)。入場者が回復傾向にあっただけに、「非常に痛手。通天閣は折れないけど、心は折れそう」と乾いた声を出した。
 大阪府泉佐野市の自営業男性(30)は、感染への懸念から12月中旬の和歌山への家族旅行を取りやめた。「他県からコロナを持って帰る可能性もある。矛盾を感じる」。除外自治体からの旅行は引き続き割引対象となることに首をかしげた。
 繁華街ススキノなどでクラスター(感染者集団)が多発する札幌市。土産物店などが立ち並ぶ二条市場の鮮魚店店主、能登元蔵さん(46)は「売り上げは大幅に落ちる」と悲痛の声を上げた。
 「(割引は)適用されるのか」との問い合わせが相次ぐ同市の旅館の男性支配人(41)は「人の動きを制限するのは仕方ない」と理解を示しつつ、「どのような状況になれば再開されるのか基準を明確に示して」と政府に注文を付けた。
 除外されない観光地からも懸念の声は上がる。世界文化遺産「百舌鳥・古市古墳群」を抱える自治体の一つ堺市は、隣接する大阪市からの観光客も多く、「影響は出てくると思う」(土産店店長)。札幌市に近い北海道小樽市の観光協会の担当者も「札幌とセットで旅行に来る人もいる」と観光客減少への不安を語った。 (C)時事通信社