【ワシントン時事】米国で26日からの感謝祭休暇を前に、旅行客が増加している。感謝祭前後は毎年、旅行や帰省で人の移動が活発化する時期。今年の移動人数は例年より少ないものの、国内で新型コロナウイルスの感染が急速に拡大しているだけに、保健当局者はウイルス拡散に拍車がかかりかねないと懸念している。
 疾病対策センター(CDC)は21日、感謝祭休暇を控えた国民向けの指針で「自宅にとどまることが、新型コロナから自分と他人を守る最善の方法」と指摘。アダムズ医務総監も24日のテレビで「国民の皆さんには、もう少しだけ我慢していただきたい」と述べ、旅行や大人数の集まり自粛を訴えた。
 米メディアが伝えた運輸保安局(TSA)の集計によると、米国内の空港でセキュリティー検査を受けた人は、20~22日の3日連続で100万人前後を記録。前年同時期と比べ6割減だが、コロナ禍が悪化した3月半ば以降で100万人に達したことはほとんどなく、国民の間で行動自粛の意識が希薄になっていることを示した。
 ロイター通信によると、全米自動車協会(AAA)も、感謝祭休暇期間中に4500万~5000万人が幹線道路を利用すると予想。約5500万人だった昨年からの減少は、小幅にとどまると見込んでいる。
 一方、米国内の新規感染者数は、このところ1日当たり15万人を上回り、累計で1200万人超。各地で州知事が住民に不要な外出自粛やマスク着用を呼び掛けているが、ワシントン・ポスト紙は「知事の大半は、山火事のような感染に家庭用の水まきホースで立ち向かおうとしている」と効果を疑問視する専門家の声を伝えている。 (C)時事通信社