新型コロナウイルスの感染再拡大に見舞われる欧州で、12月のクリスマス休暇に合わせたスキー旅行をめぐり国々の対応が割れている。ドイツやイタリア、フランスが域内の禁止を提案したのに対し、オーストリアは経済への打撃を理由に激しく反発。スイスもスキー場の営業を続ける。
 「これは欧州の問題だ。イタリアが国内のスキー場を閉めても、近隣国が閉鎖しなければ国民は国外に出てウイルスを持ち帰るだろう」。コンテ伊首相は地元メディアにこう訴え、欧州全域でスキーリゾートの営業を再開しないよう求めた。
 欧州で最多の1500万人近いスキー人口を抱えるドイツも同じ立場で、メルケル首相は国民にスキーに行かないよう要請。カステックス仏首相も「旅行は自由だが、スキー場は閉鎖される」と表明した。
 一方、人口の3割強がスキーを楽しむオーストリアでは、閉鎖により業界収入の3分の1が失われるとして「壊滅的だ」との声が上がる。同国では今年初めにスキー場がコロナの感染源となったが、クルツ首相はスキー産業を「国家のアイデンティティーの一部」として閉鎖に反対。感染対策を徹底した上で営業する方針だ。
 米ジョンズ・ホプキンス大の集計によると、新型コロナの感染者数(累積)はフランス約223万人、イタリア約150万人、ドイツ約100万人、スイス約31万人、オーストリア約26万人。
 欧州連合(EU)欧州委員会の報道官は「スキーを認めるかどうかの決定権は国家にある」と述べ、各国の対応に委ねる考えを示した。 (C)時事通信社