【エルサレム時事】新型コロナウイルスの感染再拡大が深刻化するトルコで、保健省がこれまで発表してきた患者数に「症状が軽微な人」が含まれていないことが判明した。27日までに累計47万人以上の「患者」が確認されたが、実際の感染者がこれを大幅に上回るのは確実だ。当局発表での感染による死者数も約1万3000人と欧米諸国に比べて低い水準にあり、市民からは「信用できない」との声が出ている。
 トルコは今春の最初の感染拡大に際し、欧州に比べて感染者や死者数が少ないことから「最も用意周到な国」(エルドアン大統領)と自賛していた。ところがその後、医療関係者らから「政府の発表は過小でないか」といった指摘が相次ぎ、コジャ保健相は9月末、無症状の感染者は当局発表で患者と見なしていないと認めた。
 これを機に、当局に「患者」でなく陽性者の数を発表するよう求める世論が高まった。コジャ氏は今月25日の記者会見で「多くの批判、非難がある」と述べ、過去24時間の「患者」が6800人超だったのに対し、陽性者は2万8000人超だったと初めて公表した。患者には「症状が軽い人」は含まれてないことも会見で分かった。
 コジャ氏は、陽性者に対する死者数の割合が「(対策の)成否を示す最も重要な指標の一つだ」という認識を示し、公表は死亡率を低下させるため政府には好都合だと強弁する。今後、過去にさかのぼって陽性者の情報を出す考えもあるという。
 しかし、ツイッターでは「本当の死者数も発表すべきだ」という投稿も見られる。25歳女性は取材に対して「情報を隠す政府が(感染の)状況をコントロールできるとは、市民として信じられない」と語った。 (C)時事通信社