【パリ時事】新型コロナウイルスの感染再拡大を受けて10月末から全土で再び外出が制限されているフランスで、首都パリ北東部の大規模小児病院に9、10月に自殺未遂で搬送された15歳以下の子供の数が昨年同期比で倍増したことが分かった。度重なる外出制限によるストレスや、ウイルスへの恐怖などが原因とみられる。27日付の仏紙ルモンドが報じた。
 自殺未遂でこの病院に搬送される子供は9月の新年度開始後に急増。昨年9、10月は20人だったのに対し、今年は40人に上ったという。病院に勤務する医師はルモンドに対し、「当院は国内で最も新型コロナの感染が深刻な地区にある上、一般的に年度初めは自殺未遂件数が多い」と急増の背景を分析。他病院の医師からも例年より増えているとの声が聞かれると述べた。
 ルモンドによると、入院している15歳の少年はもともと精神疾患を持っており、春の外出制限で学校が閉鎖された際には「睡眠時間を削ってテレビゲームに没頭した」。今回の外出制限で学校閉鎖措置は取られていないが、少年は友人と遊びに行けないことでパニック状態に陥り、自殺を図ったという。
 全年齢を対象とした保健当局の調査でも「コロナうつ」の傾向が顕著だ。「うつ状態」と判断された人の割合は7月上旬の10.6%から、今月上旬に20.6%に増加。最初の外出制限期間中で最高だった4月下旬の20.4%を上回った。
 ベラン保健相は今月19日の記者会見で「9月下旬以降、国民のメンタルヘルスは顕著に悪化している」と危機感を表明。「18~24歳の若年層や、経済的に困窮している人々の間で特にうつ傾向が見られる」と指摘し、早めに専門家に相談するよう呼び掛けた。 (C)時事通信社