「怒りや悔しさが消えることはない」。優生保護法下で不妊手術を強いられた聴覚障害のある原告の70代女性は、国への賠償請求を退けた30日の大阪地裁判決後、手話通訳を通じて訴えた。
 女性は1974年、第1子を出産した際に手術を受けた。赤ちゃんは生後間もなく亡くなった。その後、子供ができないことを母親にただすと、「赤ちゃんはもうできない」と聞かされたという。
 女性は「子供を産んで育てたかったが、知らない間に(手術され)夢が絶たれた。家族の楽しみが奪われた」と語り、「誰にもしてはいけない手術だった。そのままの体でいさせてほしかった」と憤った。
 聴覚障害のある80代の夫も「判決で障害者は司法へのアクセスに制約があったと認めたのに、20年の除斥期間を優先したのはおかしい。障害者差別だ」と指摘した。
 代理人の辻川圭乃弁護士も「裁判所は障害者差別に、踏み込んで判断すべきだった。強い憤りを感じる」と批判した。 (C)時事通信社