【北京時事】中国で、輸入冷凍食品から新型コロナウイルスが相次いで検出され、政府は輸入を一時停止したり、全面消毒を義務付けたりして警戒を呼び掛けている。中国の専門家からは、世界で初めて感染が拡大した湖北省武漢市のケースも「冷凍海鮮物売り場に感染者が集中していた」との指摘が出るなど、ウイルスの「武漢起源説」を否定する材料にしようとする思惑も見え隠れする。
 アルゼンチン産牛肉(江蘇省南京市)、ブラジル産牛肉(武漢市)、マレーシア産タチウオ(山東省臨沂市)…。輸入冷凍食品の主に包装からコロナウイルスを検出したとの発表が11月だけでも30件近くに上る。
 6月に北京市で広がった感染「第2波」については、市の研究員らが「卸売市場で処理された輸入冷凍サーモンが感染源だった可能性が極めて高い」との分析結果を発表。10月に山東省青島市の病院で発生した集団感染では、入院していた青島港の貨物作業員2人が扱っていた輸入冷凍タラの包装から「生きた」ウイルスが検出されたという。
 こうした事例を受け、中国疾病予防コントロールセンターの呉尊友首席専門家は、中国紙に対し「武漢の感染も最初は海鮮市場で始まった。輸入された水産品が引き起こした可能性もある」と指摘した。
 ただ、中国当局は冷凍食品からのウイルス検出について「現段階の陽性率は1万分の0.48」(国家食品安全リスク評価センター)と、極めてまれなケースであることを認める。世界保健機関(WHO)は冷凍食品からの感染に懐疑的で、緊急事態対応を統括するマイク・ライアン氏は11月27日の記者会見で、中国メディアの質問に「中国が発生源でないというのは不確かな推測だ」と答え、海外から中国にウイルスが流入したとの見方にくぎを刺した。 (C)時事通信社