新型コロナウイルスのワクチンを英政府が先進国として初めて承認したことは、菅政権が目指す来夏の東京五輪・パラリンピック開催や、国際的な人の往来再開に弾みとなりそうだ。日本政府は来年前半までに全国民に提供できる数量のワクチン確保を目指しており、国内接種への準備を加速させる。
 加藤勝信官房長官は2日午後の記者会見で「(日本で)承認申請があった場合は有効性、安全性を確認の上、承認していく」と改めて強調。「開発している企業の対応を待ちたい。メーカー側と意思疎通を図っていきたい」と述べた。
 政府がワクチン確保の目標を「来年前半」とするのは、来年7月開幕の東京五輪に間に合わせるため。菅義偉首相は先の20カ国・地域(G20)首脳会議など一連の国際会議で、東京五輪・パラリンピックについて「人類がウイルスに打ち勝った証しとして開催する決意だ。安全、安心な大会を実現する」と安全開催を国際公約にした。その前提となるのがワクチンの実用化と普及だ。
 経済重視路線を続ける首相にとって、ワクチンの行方が政権の浮沈にも影響する。経済の結び付きが強い国々にワクチンが行き渡れば、首相が意欲を示す水際対策の緩和の後押しにもなるからだ。
 衆院議員の任期満了を来年10月に控える中、衆院解散・総選挙の判断にも影響しそうだ。感染拡大防止にめどが付けば、解散の判断は自由度が増す。自民党幹部は今後の政治日程は「ワクチンの状況が関係してくる」と指摘した。 (C)時事通信社