【ロンドン時事】英国で新型コロナウイルスのワクチンが先進国として初めて承認されたことを受け、焦点は開発の成否から市民への速やかな投与に移る。欧米各国は規制当局によるワクチン承認後、早ければ数日以内に接種を始め、来年春までに全国規模で一気に展開する「大作戦」を計画する。
 各国とも最初は医療関係者と高齢者に優先的に接種させるが、一般市民への普及こそが行動制限などの解除のカギを握る。東京五輪・パラリンピックを来夏に控える日本でもスピードが問われそうだ。
 英国は内閣にワクチン展開担当相を新設し、ナディム・ザハウィー氏を指名した。医療機関に加え、全国で1000カ所以上の予防接種センターを設置。軍隊までも動員し、来春までに国民の大多数に接種させたい考えだ。ザハウィー氏は「大きな挑戦だが、万全を尽くす」と意気込む。
 米政府のモンセフ・スラウイ首席科学顧問は、ワクチンが承認されれば「当日か翌日に初の予防接種を行うことができる」と強調。当初は毎週500万~1000万回分のワクチンが利用可能と想定するが、生産拡大に合わせて人口全体をカバーする計画を立てている。
 欧州連合(EU)も今年10月にワクチン展開の戦略を公表し、接種に必要な人員や医療器具のほか、ワクチンの輸送や貯蔵に不可欠な冷凍・冷蔵設備の確保を加盟国に要請済み。EU域内における最初の接種は年内に行われる見通しだ。 (C)時事通信社