米製薬大手ファイザーなどが開発した新型コロナウイルスのワクチンが英国で承認され、来週にも接種が始まる。日本政府は同社などから供給を受ける一方、国内での開発を支援しており、製薬各社がしのぎを削る。しかし、有効性や安全性を検証する臨床試験(治験)にこぎ着けたのは1社のみ。実用化は遅れ、2022年以降になる可能性がある。
 国産ワクチンで先行するのは、大阪大発の創薬ベンチャー、アンジェスだ。ウイルスのDNAの一部を複製したワクチンの治験を6月に開始し、11月に第2段階に進んだ。当初は来年春の承認を目指していたが、数万人規模の治験を検討する必要があり、時期は見通せない。
 塩野義製薬は、抗原たんぱく質を遺伝子組み換え技術で作ったワクチンを開発。年内の治験開始を目指しており、来年には国内外で大規模治験を実施する予定だ。生産設備への投資も進め、年間3000万本を供給できる体制をつくる。
 明治ホールディングス傘下のKMバイオロジクス(熊本市)と第一三共の2社は来年3月に、医薬品開発支援のアイロムグループ子会社のIDファーマ(東京)は3~5月に治験に入る予定だ。
 海外では「安全保障の観点から平時でもワクチン技術の蓄積が進んでいた」(製薬大手)ことから、開発が国内勢に大きく先行している。ただ、継続的な接種には国産ワクチンが欠かせない。「技術を蓄積しておけば、次のコロナのときにすぐにワクチンを作れる」(KMバイオ)面もあり、国内開発に期待が寄せられている。 (C)時事通信社