政府・与党は7日、75歳以上の後期高齢者が医療機関で支払う窓口負担の引き上げをめぐり、調整を続けた。ただ、対象範囲を広げたい菅義偉首相と絞り込みたい公明党の意見の隔たりは埋まっておらず、政府は4日に続いて全世代型社会保障検討会議の開催を見送った。政府が目指した8日の閣議決定はずれ込む見通しだ。
 首相は7日、自民党の二階俊博幹事長、森山裕国対委員長、林幹雄幹事長代理と首相官邸で会談し、6日の自公幹事長会談を含め、与党間の調整状況について報告を受けた。首相は「よく協議し、いい形で結論を出してほしい」と指示した。
 政府は後期高齢者の医療費の窓口負担を1割から2割に引き上げる方針を決めている。焦点はその対象者の範囲だ。首相は年収170万円以上で線引きしたいのに対し、公明党はより範囲が狭い240万円以上を主張している。
 二階氏は会談後の記者会見で「連立を組んでいるので円満な話し合いで決着をつけたい」と述べた。ただ、林氏は「首相は(170万円以上に)こだわっている」との見方を示した。
 これに対し、公明党の山口那津男代表は首相官邸での政府・与党連絡会議後、記者団に「かたくなに(240万円以上に)こだわっているということでは必ずしもない」と柔軟な姿勢を強調しつつ、「政府がどうなるかがよく見えない」と、首相側の譲歩に期待感を示した。
 調整は難航しており、自民党の下村博文政調会長は7日夜、BS―TBSの番組で閣議決定について「来週火曜日(の15日)にする予定でいま進めている」と述べた。
 一方、野党は政府・与党間の調整を冷ややかに見ている。共産党の小池晃書記局長は「いずれも(対象範囲は)数百万人規模で、医療費を引き上げる結論は全く同じ」と指摘。「どこでラインを引けば選挙への影響を少なくできるかを調整しているだけの党利党略だ」と批判した。 (C)時事通信社