【ロンドン時事】英国が新型コロナウイルスのワクチンを早期承認したことを受け、これが拙速か否かで論争が起きている。感染症の世界的権威として知られる米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は米メディアで「拙速だ」と指摘。その後すぐに発言について謝罪したが、安全性に対する懸念はなおくすぶっている。
 英規制当局は2日、世界に先駆けて米製薬大手ファイザーなどが開発したワクチンを承認した。これに対し、ファウチ氏は同日、米ニュース番組で「英国は米国の規制当局ほど慎重に審査していない」などと批判していた。
 しかし、ファウチ氏は3日の英BBC放送に出演すると、「誤解があり、申し訳なく思っている。私は英国の科学者と規制当局を全面的に信頼している」と発言を修正し、謝罪した。米規制当局は10日にもワクチンを承認する見通しだ。
 ロイター通信によると、ドイツのシュパーン保健相は「大事なのは一番乗りではなく、安全で効果的なワクチンを得ることだ」と強調。欧州連合(EU)の当局が慎重に安全性などを審査すべきだとの考えを示した。
 一方、ウィリアムソン英教育相は3日に出演したラジオ番組で、他国に先駆けて承認した英規制当局を称賛するにとどまらず、「われわれはフランスやベルギー、米国よりもはるかに優れた国だ」と豪語。これに対しては英国内からも批判が上がっているほか、世論調査でも冷ややかな反応が大半を占めている。 (C)時事通信社