1995年3月に起きた地下鉄サリン事件の被害者のおよそ3分の1が長期にわたり、当時の状況が鮮明によみがえる「フラッシュバック」などの心的外傷後ストレス障害(PTSD)関連の精神的症状に悩まされていたとみられることが広島大などの研究で分かった。10日記者会見した同大の杉山文助教(疫学・疫病制御学)は「25年たった現在も症状が残っているのではないか」と推察した。
 同大などは、被害者支援を行うNPO法人リカバリー・サポート・センターがサリン被害者に実施したアンケートのうち、2000~09年の10年分を調査。分析可能な747人の回答を解析した。
 精神的症状については、「そのときの場面が、いきなり頭に浮かんでくる」や「そのことについては、話さないようにしている」など22項目の回答で一定の基準を超えた場合にPTSDの傾向があると判定。35.1%の被害者でPTSD関連の症状が認められた。
 身体的症状の有無も分析したところ、「目が疲れやすい」は6~8割で見られ、「頭痛」や「めまい」などを自覚する被害者も多かった。精神症状、身体症状のいずれも慢性的に続いていたという。
 杉山助教は「被害者の慢性的な健康障害と被害者に対する定期的なケアの必要性が示唆された」としている。 (C)時事通信社