「Go To トラベル」などをめぐり、感染状況が2番目に深刻な「ステージ3」地域での一時停止を政府の新型コロナウイルス分科会が再提言したことについて、専門家は「現状よりも強い措置が必要」「経済対策と感染防止策の両立は困難だ」と指摘している。
 分科会に出席した日本医療法人協会の太田圭洋副会長は「『勝負の3週間』の3分の2が終わりつつある。感染者が減らないなら、より強い措置を取らないといけない」と強調。「冬場は心筋梗塞などが増えるため、病床はもともと逼迫(ひっぱく)する。今の新型コロナ患者数の状態で冬場に突入するのは非常に厳しい」と危機感を示した。
 政府の感染拡大防止策をめぐっては、厚生労働省の専門家組織も10日夜、「全体として必ずしも感染者数を減少させることに成功しているとは言い難い」と分析。感染後に他県に移動して別の人に感染させた例が特に20~50代で多いとして、こうした世代を中心とした移動自粛の必要性を訴えた。
 分科会メンバーの一人は「感染者は高止まり状態。『トラベル』などによる移動は(年齢に限らず)広く止めないと駄目。早めの対応を取り、できるだけ(感染の波の)山を小さくすることが必要だ」と話した。
 別のメンバーは「経済対策と感染防止策の両立は難しい。必ずどちらかに傾く」と指摘。提言では「ステージ3」を3段階に分けた中で最も深刻度の低い「感染減少地域」については「Go To」の一時停止が明記されなかった。このメンバーは「経済も感染防止も両方とも大切。そのバランスを取るための提言になった」と振り返った。 (C)時事通信社