拡大が止まらない新型コロナウイルスの「第3波」に押され、観光支援策「Go To トラベル」が年末年始、全国で一時休止されることになった。先行して除外となる東京都と名古屋市の飲食店やホテルでは14日、「年末年始の繁忙期なのに」「正直痛い」と嘆きが漏れた。観光客は理解を示す一方、「決断が遅い」と政府を批判した。
 名古屋城のそばで「名古屋めし」が楽しめる「金シャチ横丁」。鳥料理店「鳥開総本家」の菊川大樹副店長(25)は「うちは観光客がメイン。休止は正直痛い」と吐露する。少しずつ戻り始めていた客足も、感染者増で12月は既に減少に転じており、休止は追い打ちに。土産店の女性店員も「感染の怖さはあるが、店の存続の方が大事だ」と話し、先行きを案じた。
 東京・浅草は観光客の姿もまばら。浅草寺近くにある「雷門旅館」の取締役(30)は「回復した予約もキャンセルになるだろう」と嘆き、「年末年始を逃すのはあまりにも厳しい」と暗い声で話した。大衆居酒屋が並ぶ「浅草ホッピー通り」にある飲食店の社長(50)は、「今年最後の稼ぎ時と準備していたのに」と不満顔。都内は年明けまで時短営業要請も延長されたが、「年末年始は要請に従えない。ここで稼がないとつぶれる」と訴えた。
 不安の声は観光客からも。東京タワーを家族で訪れていた静岡県西伊豆町の会社員芹沢喜市さん(65)は「用事があったので上京したが、本当は気が進まなかった。(トラベル事業は)取りやめて様子を見た方がいい」と話し、「もっと早く決めるべきだ。人の命より経済優先でやめたくない政府の姿勢が透けて見える」と対応の遅れを批判した。 (C)時事通信社