政府は15日、薬の公定価格である「薬価」を引き下げ、3600億~4700億円の医療費を抑制する方向で調整に入った。医薬品の半数以上が引き下げの対象となる見込み。患者負担は軽減される一方、医療機関や製薬業界の経営にはマイナスとなる。政府は近く改定幅を決め、2021年4月から実施する。
 薬価は従来、診療報酬と合わせ原則2年に1度改定されてきた。ただ、高齢化の影響や高額な医薬品の登場などで薬剤費は増加傾向にある。このため政府は、実勢価格を迅速に反映して医療費の適正化や国民負担の軽減につなげようと、21年度から毎年見直すことにした。菅義偉首相が官房長官時代に主導した経緯がある。
 厚生労働省が今月2日に公表した調査結果によると、今年9月時点の医薬品の実勢価格は薬価を約8.0%下回っており、政府は少なくともこれを超える差が出ている医薬品は改定する方向。全品目の約半数に当たる8700品目が対象となり、医療費を3600億円圧縮できる。一方、1万7600品目全てを改定した場合は4700億円削減できる見込みで、政府は詰めの調整を急ぐ。 (C)時事通信社