【ニューヨーク時事】米食品医薬品局(FDA)は18日、米バイオ医薬品企業モデルナが開発した新型コロナウイルスワクチンの緊急使用を許可した。米製薬大手ファイザーに続く2例目だが、保存や輸送のしやすさに強みがあり、ワクチン普及とコロナ禍の沈静化に向けて期待が高まっている。
 先行して11日にFDAが許可したファイザーのワクチンは、零下70度前後の低温でなければ長期保存ができない。これに対しモデルナのワクチンは、零下20度でも6カ月の保存が可能。また、6カ月の期限内であれば、解凍して通常の冷蔵庫でも1カ月間保存できるという。同社は「より簡単な配布が可能」と利点を訴えている。
 米国はコロナ感染者・死者数とも世界最多。感染ペースは11月以降加速しており、累計死者数は今月に入り30万人を超えた。FDAのハーン長官は18日、「二つのワクチンが利用できるようになり、重要なもう一歩を踏み出した」と、コロナ禍の制御に期待を示した。
 モデルナのワクチンは、28日の間隔を空けて2回の接種を想定。FDAによれば、最終段階の臨床試験(治験)で94.1%の予防効果が確認され、安全面でも問題ないと判断された。医療従事者ら一部の人を対象に、21日にも接種が始まる見通しだ。
 日本も来年5000万回分(2回接種で2500万人分)を確保しており、近く同社が承認申請を行うとみられる。
 一方、米国や英国では、ファイザーのワクチン接種後に急激なアレルギー反応である「アナフィラキシーショック」を起こす事例も発生。ワクチンの安全性への過度の懸念につながれば、接種を避ける動きが広がりかねない。また、一部で輸送上のトラブルも報じられるなど、ワクチンの早期普及には不透明感も漂っている。 (C)時事通信社