厚生労働省は、子育てや生活困窮、介護などにまつわる住民からの相談を一本化する市区町村に対し、支援する方針を固めた。住民が抱える複合的な課題に一元的に対応する地域共生社会関連法が6月に成立したことを受け、担当課ごとの縦割りを廃し、「断らない相談」を目指す自治体向けに交付金を創設する。2021年度当初予算案に関連経費約100億円を計上する。
 初年度となる21年度は、全国40カ所程度に交付金を支給。既に同様の取り組みを行っている自治体が新たな体制に移行する場合も、別途財政支援する見通しだ。
 高齢化や晩婚化に伴い、高齢の親が中高年になった引きこもりの子どもを支える「8050問題」や、子育てと介護を同時に抱える「ダブルケア」で悩む世帯の増加が見込まれる。ただ、これまでは、どの程度の人がこうした問題を抱えているかといった実態が分かっていなかった。厚労省は新たな体制を通じて実情を把握したい考えで、実態調査も進めている。
 交付金は、8050問題のような複合的な相談に一体的に対応する窓口を整備する自治体に加え、高齢者や子育て中の親、障害者など多世代が交流できる場の運営に乗り出す自治体に対し、費用の一部を助成する。
 さらに、経済的に困窮はしていないものの、子どもが引きこもり状態にあるなど、既存の行政支援では対応できない世帯向けに、社会とのつながりを回復する場をつくる場合も、支援対象とする。
 介護、子育て、障害者ケアなどこれまで分野ごとに分かれていた交付金を一括し、新たな交付金として給付。各地域のニーズに応じた支援体制づくりを後押ししたい考えだ。 (C)時事通信社