【ロンドン時事】英政府が20日にロックダウン(都市封鎖)に踏み切る前夜、ロンドンの主要駅では地方に向かう長距離列車に乗る客で大混雑となった。クリスマス休暇直前の政府の方針転換を受け、大勢が駆け込みで脱出を急いだ格好だ。感染急増を招いている新型コロナウイルスの変異種の拡散に懸念も広がっている。
 ロンドン中心部の主要駅で19日夜に撮影された動画や写真では、ロンドン発の長距離列車に乗ろうとする客でごった返す駅の光景が映し出された。交流サイト(SNS)に動画を投稿したジャーナリストは「私を含む乗客は合法ながらも愚かで無責任な決定をした。しかし、他に方法はなかった」とつづった。
 ジョンソン首相は19日夕方の緊急記者会見で、ロンドンなどを20日午前0時01分から封鎖すると発表。同席したウィッティー首席医務官は「この地域で旅行を計画中の人は、荷を解き、家にいてほしい」と呼び掛けていた。
 駆け込み脱出を受け、ハンコック保健相は「非常に無責任な行動だ」と非難。シャップス運輸相は駅に警察官を増員し、監視を強化すると表明した。
 ただ、ジョンソン首相は直前まで、科学者や野党からクリスマス期間中の帰省や旅行を制限するよう再三要求されたにもかかわらず、「クリスマスを中止するのは非人道的だ」などと突っぱねていた。カーン・ロンドン市長は「この駅の混雑は、政府の混沌(こんとん)とした発表のやり方が招いた直接的な結果だ」と政府を批判した。 (C)時事通信社