【ロンドン時事】強い感染力を持つ新型コロナウイルスの変異種が英国で確認されたことを受け、欧州各国は厳戒態勢に入った。各国は英国からの航空便や鉄道、フェリーの乗り入れを禁止。しかし、変異種は既に世界的に広がっている可能性もある。
 この変異種は「VUI―202012/01」。英政府に助言する有識者チームが公表した資料によると、従来種よりも感染力が約70%強く、感染者1人が平均してうつす人数「実効再生産数」を0.4~0.9ポイント押し上げるという。
 イタリア政府は20日、国内でこの変異種が見つかったと発表。英専門家は民放番組で、変異種がデンマークやオーストラリアでも確認されたほか、別種だが非常に似ているものが南アフリカ、オランダなどで見つかったと明らかにした。
 欧州各国は一斉に英国からの渡航規制を強化。フランスは英仏海峡の往来を一時停止した。英国のみならず、オランダやデンマークからの入国を禁止した国もある。新型コロナの感染第2波の影響が深刻化する中、一段の感染爆発を招きかねない変異種に神経をとがらせている。
 英政府は11月5日からイングランドを約1カ月間都市封鎖(ロックダウン)したにもかかわらず、変異種による感染拡大を抑えられなかった。ハンコック保健相は「変異種は制御不能だった」と率直に吐露した。
 人の移動や会合が増えるクリスマスを目前に控え、拡散の懸念は高まるばかりだ。英国国教会のウェルビー・カンタベリー大主教は声明で「変異種のリスクを認識している。クリスマスの礼拝への参加を強制と感じるべきではない」と人々に注意を呼び掛けた。 (C)時事通信社