不妊治療を始めた女性の16.7%が離職しているとの論文を、順天堂大の研究チームが22日までにまとめた。治療で頻繁な通院が必要になるのに、職場から十分な支援を得られないことが要因とみられるという。論文は英医学誌に掲載された。
 チームは2018年、各地の不妊治療クリニックを受診した女性1727人にアンケート調査を実施し、治療歴や就労状況を尋ねた。
 不妊治療開始時に就労していたなどの条件を満たす1075人について分析したところ、16.7%に当たる179人が退職や解雇を経験していた。
 不妊治療では、通院のため仕事を急に休む必要がたびたびある。調査では、治療に関する職場の支援がないと回答した女性の離職率は、支援があるとした女性と比べ1.91倍だった。非正規社員の離職率は正社員の2.65倍で、不安定な雇用や休暇の取りにくさが影響している可能性も浮かんだ。
 政府は不妊治療への助成金を拡充する方針だが、チームの遠藤源樹准教授は「治療と仕事の両立には、助成金だけでなく(労働者が始業や終業の時間を選ぶ)フレックスタイム制度など働き方改革が重要だ」と話した。 (C)時事通信社