【ワシントン時事】米議会で難航の末、可決された追加の新型コロナウイルス経済対策の成立に、土壇場で不透明感が急浮上している。トランプ大統領が法案内容に異論を唱え、署名の拒否をちらつかせているからだ。混乱が続けば、回復に弱さが目立つ景気や雇用に影響するのは必至だ。
 「現金給付額をとんでもなく少ない(一人最大)600ドルから2000ドルに増やすよう修正を求める」。トランプ氏は22日、議会上下両院を前日通過した総額9000億ドル(約93兆円)規模の追加対策法案を突き返した。
 追加策は現金給付のほか、週300ドルの失業給付上乗せ、中小企業支援策などが柱。与野党の対立が長引き、法案可決まで半年を要した。
 現金給付額をめぐっては、与党共和党が財政赤字の拡大を嫌がり、今春の経済対策で実施された一人1200ドルから圧縮を主張。政権を代表して与野党協議に参加していたムニューシン財務長官が、600ドルを提示した経緯がある。だが、トランプ氏は22日になって、この額に「恥さらし」と不満をぶちまけた。
 共和党側がトランプ氏の増額修正に応じるかは不明だ。法案は上下両院において圧倒的多数の賛成で可決されており、トランプ氏が署名に拒否権を発動しても議会が覆すことは可能とみられるが、大統領と与党の間に大きなしこりを残しかねない。
 追加策の法案は、連邦政府予算と一体化している。成立しなければ、暫定予算の切れる29日から政府機関の一部が閉鎖され、経済に一層の打撃をもたらしかねない。 (C)時事通信社