【ロンドン時事】英国で確認された感染力の強い新型コロナウイルスの変異種が、世界的に広がっている可能性が浮上している。23日にはイスラエルや香港などでも変異種の感染例が新たに把握された。新型コロナワクチンの普及を前に、変異種が引き起こす感染拡大が新たな懸念材料になりつつある。
 イスラエル保健省は声明で、4例の変異種を確認したと発表。香港でも英国から帰国した留学生2人から見つかった。英国内でも本島と海を隔て、これまで変異種が見つかっていなかった英領北アイルランドで、新たに1例が確認された。アイルランド島には国境を管理する施設はないため、「(隣接する)アイルランドにも広がる可能性が高い」(北アイルランド保健省)という。
 世界保健機関(WHO)によると、この変異種は既にイタリアやオランダ、デンマークなどでも確認済み。英政府の発表後、欧州を中心に50カ国・地域以上が英国からの入国を一時停止したが、英インペリアル・カレッジ・ロンドンのニール・ファーガソン教授は23日の下院委員会で「ほぼ確実に、既に欧州の大部分に広がっているだろう」との見方を示した。
 英科学者チームによると、この変異種は従来種よりも71%も感染力が強いほか、若者にも広がりやすい特徴があるとされる。英南東部の感染急増の原因とされるが、英国が起源なのかどうかも分かっていない。
 南アフリカでも英国とは別の変異種が流行し、新規感染者数の増加の原因と見なされている。この変異種も英国で確認され、地理的に広がりつつある。 (C)時事通信社