フジテレビなどで放送されていた「テラスハウス」に出演していたプロレスラー木村花さん=当時(22)=が自殺したとみられる問題で、母響子さん(43)が24日までに時事通信のインタビューに応じた。花さんはインターネット交流サイト(SNS)での誹謗(ひぼう)中傷に苦しんでいたといい、響子さんは「中傷は人の生きる気力を奪ってしまう」と指摘。SNS教育の拡充を訴えた。
 「テラスハウス」は複数の男女が共同生活を送る番組で、木村さんが男性出演者に怒りをぶつける場面が配信された3月末以降、SNSで中傷が相次いだ。木村さんは5月23日未明、自宅で心肺停止状態で発見され、その後死亡が確認された。
 響子さんが、花さんから悩みを打ち明けられたのは5月15日。響子さんが「切り取られたものだけを全部本当だと信じて、好き勝手に言う人がこんなにいるなんて信じられない」と声を掛けると、花さんは涙を浮かべ、「あの人たちは出演者を人間と思ってない」と話したという。
 3月末から死去まで花さんのツイッターに寄せられた投稿は約1200件に上った。警視庁は悪質な内容で複数回投稿しているアカウントを抽出し、侮辱容疑で大阪府の20代男を書類送検した。
 しかし、侮辱罪の罰則は30日未満の拘留または1万円未満の科料にすぎない。響子さんは「被害者が負う心の痛みと、加害者に科せられる罪のバランスが取れていない。犯人特定には時間もお金もかかるし、ハードルが高い」と指摘する。それでも響子さんは、花さんを中傷した他の投稿者に法的措置を検討。SNS事業者などへの情報開示請求を進めている。
 「これ以上誰にも悲しい思いをしてほしくない」。そうした思いから、響子さんはネットで中傷を受けた人の相談に取り組むNPO法人の設立も検討している。来年には小学校でSNS教育に関する啓発活動を行う予定だ。「ネットリンチは、やっている人に加害者意識が全くない。SNSで他人を批判する前に、自分に向き合ってほしい」。響子さんはそう強調する。 (C)時事通信社