人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作った心筋細胞を移植する治験を進める大阪大のチームが25日、中間結果を発表した。移植を受けた患者3人は無事退院しており、「治験は順調に進んでいる」と言及。安全性の検証を続けた上で2021年以降、別の患者7人に移植手術を行うという。
 チームは今年1月、心臓の血管が詰まり心筋が働かなくなる虚血性心筋症の患者に、iPS細胞から作った心筋細胞シートを世界で初めて移植。9月と11月にも別の患者2人に移植し、3人とも退院した。
 手術では、心臓の表面に直径4~5センチの極薄シートを3枚貼り付けた。シートから出る物質が血管を再生することで、心機能の回復を見込む。
 シートに含まれる細胞数は約1億個と、移植が先行する目の病気と比べて格段に多い。がん化のリスクも高いとされるが、阪大チームの澤芳樹教授(心臓血管外科)は「克服の努力を重ねており、最も安全性の高い治療法と確信している」と強調。「今後も必要なステップを踏んで治験を進め、国内外の患者を救いたい」と話した。 (C)時事通信社