厚生労働省は25日、英国から羽田空港と関西空港に到着した10歳未満~60代の男女5人から、新型コロナウイルスの変異種が確認されたと発表した。各空港での検疫の結果、英国で流行が広がる感染力が強い変異種と同様と分かった。変異種の確認は国内初で、国立感染症研究所などが詳しく調べている。
 世界保健機関(WHO)によると、英国の変異種は従来種よりも感染力が最大70%強いが、重症化したりワクチンの有効性に影響を与えたりする証拠は見つかっていない。
 厚労省によると、5人は18~21日、羽田と関空に直行便で到着した。羽田は60代と10代の男性、関空が40代の男女と10歳未満の男児で、この3人は同じ便に搭乗していた。このうち60代男性が倦怠(けんたい)感を訴えたほかは、いずれも無症状という。5人の濃厚接触者は確認されていない。
 厚労省は5人の国籍や居住地を公表していないが、これまでに同省が空港検疫で確認した感染者の発表によると、60代男性は東京都在住、関空に到着した3人は大阪府在住とみられる。
 25日夜に緊急記者会見した田村憲久厚労相によると、5人は宿泊施設に滞在している。厚労相は「空港検疫で陽性と分かっており、国民への接触は考えられない」と述べた。
 変異種は南アフリカでも見つかっており、政府は同国と英国からの入国者に対する対策を26日から強化する。入国から3日間、宿泊施設で待機した上で、4日目に改めて検査を実施し、陰性でも自宅などで14日間の待機を求める。英国からの航空便の新規予約も1週間停止する。
 英国と同じ変異種はイタリアやオランダ、デンマーク、香港などでも確認されており、世界中に拡大した恐れも指摘されている。 (C)時事通信社