英国で見つかった新型コロナウイルスの変異種が25日、入国者5人から確認された。変異ウイルスは感染力が7割強まっている可能性があるとされるが、正確には分かっていない。専門家は、政府に対し検疫やウイルス解析の強化を求める一方、「個人の対策はこれまでと変わらない」として、冷静に受け止めるよう呼び掛けた。
 ウイルスは常に変異を続けており、今回確認されたウイルスは、人の細胞に感染する際に用いる突起状の「スパイクタンパク」に関する部分などに、複数の変異が生じている。英国での広がりから感染力が7割増しているとみる報告もあるが、多くの人に感染させた患者が偶然、今回のウイルスに感染していた可能性なども否定されていない。動物実験による検証もまだだ。
 毒性が強まったことを示すデータはないものの、感染力が強まれば感染者と重症者が増え、医療の負担は増す。
 二木芳人・昭和大客員教授(感染症学)は、ウイルスの感染力が実際に強い場合に備え、「英国に限らず、入国者の検疫を再び強化する必要がある。既に国内で変異ウイルスへの感染が起きている可能性もあり、国内で流行しているウイルスの解析も強めてほしい」と指摘。個人の対応については「これまでと変わることはない」と話し、マスク着用や手洗いなどの基本的な対策の継続を求めた。
 水谷哲也・東京農工大教授(ウイルス学)は「患者が重症化する率は高まっていないと思われ、過度に恐れる必要はない」と話した。 (C)時事通信社