【ニューデリー時事】近年、世界最悪レベルの大気汚染に悩まされているインドで、2019年は大気汚染による呼吸器疾患などで約170万人が死亡したことが研究で明らかになった。新型コロナウイルスの感染が広がる中、今年も10月下旬以降に大気汚染が深刻化しており、呼吸器への二重の負担が懸念されている。
 政府系のインド医学研究評議会(ICMR)などがまとめた研究結果によると、19年の大気汚染に伴う死者数は、国内全死者数の17.8%に当たる約170万人。経済的損失は2兆6000億ルピー(約3兆6400億円)に上るという。
 汚染物質は、自動車や工場、発電所の排ガス、建設現場からの粉じん、農家の野焼きなどで生じている。全インド医科大のキルナニ前呼吸器病学部長は地元紙ヒンドゥスタン・タイムズの取材に「世界的には呼吸器疾患の主な原因はたばこだが、インドでは大気汚染だ」と指摘。経済発展と並行し、有効な規制を実施する必要性を訴えた。
 インドの新型コロナの累計感染者数は1000万人超で、米国に次いで世界で二番目に多い。12月に入ってから感染拡大ペースは落ち着きつつあるが、大気汚染が続き、呼吸器の負荷が高まることで新型コロナにかかりやすくなるのではないかという懸念が広がっている。 (C)時事通信社