新型コロナウイルスの感染拡大が収まらないまま突入した年末年始。医療提供体制の逼迫(ひっぱく)が懸念される中、保健所や医療従事者らが休み返上で懸命の対応を続けている。例年と異なり、家族だんらんのない正月を迎える保健師からは「疲労困憊(こんぱい)しているが、この局面を乗り切らないと」と悲痛な声も漏れる。
 東京都葛飾区の保健所は、応援職員を含む12~13人体制で年末年始も業務を続ける。保健師や事務職員1人当たり、毎日100人弱の陽性者や濃厚接触者に電話して健康状態や行動を把握しなければならず、担当者は「業務は待ったなしの状況」と話す。年末年始に1~2日しか休めない職員もいるといい、「年越しも平日と変わらない。職員の疲労は限界に近づいている」と訴えた。
 都内で保健師として働く女性(50)は、近くに住む両親と毎年行っている初詣を取りやめた。年末年始期間に3日ほど出勤する予定だが、クラスター(感染者集団)が発生すれば、休日返上になるという。
 女性は「おせちの準備もできていない。両親が用意すると言ってくれているが、取りに行けないかもしれない」と嘆きつつ、「小さい子どもを抱えながら何も言わずに休日働く保健師もいる。応援の力を借りつつ乗り切っていかないと」と自分に言い聞かせるように話した。
 立川市の「うちだ内科医院」は、大みそかと元日に臨時の発熱外来を開設する。来院した患者に感染の疑いがあれば、その場でPCR検査を行う。鎌形博展院長(39)は「年末の救急病院はただでさえ忙しい上、休診のクリニックが多い。新型コロナの対応もある中、このまま大病院に患者が集中すれば崩壊は目に見えている」と強調。「患者の行き場がなくならないよう、できることをやっていきたい」と力を込めた。 (C)時事通信社