新型コロナウイルスの影響で、各自治体が開く「心の相談」窓口が多様化している。厚生労働省によると、全国の都道府県・政令市に設置されている窓口に寄せられたコロナに関する不安や悩みなどの電話相談は、昨年2~11月で2万件を超えた。コロナの長期化に伴い、新たに医療・介護従事者向けの専用窓口を設置する動きも。感染者が比較的落ち着いている地域では、住民を対象に対面での相談を受け付ける市町村もある。
 神奈川県精神保健福祉センターでは、県民からの相談窓口とは別に、医療従事者や介護などの福祉施設で勤務する人向けの専用ダイヤルを新たに開設。県内に在住または勤務していれば、平日の午後1時から9時まで相談できる。
 昨年5月28日の開始から12月24日までに寄せられた相談件数は計156件。「自分自身が感染しないか心配」「職場の感染対策が不十分に感じる」といった悩みや、実際に感染した医療従事者からの復帰に関する相談があった。
 感染が再び急拡大した同年11月には、「病棟の人手が足りない」という悲痛な声も。担当者は「土日や夜遅くには対応できないという行政の限界もある」としながらも、「コロナ禍では、医療・福祉施設の職員が健康でいることが大事。心身に不調を感じたらぜひ相談してほしい」と呼び掛ける。
 三重県伊勢市中央保健センターでは、同年9月から週に1度、市民を対象に臨床心理士や保健師による対面相談を予約制で受け付けている。希望すれば電話など非対面に切り替えることもできるが、担当者は「地元対象だからこそのサービス。顔を見て悩みを聞くことで、より迅速な支援につなげられれば」と話す。
 厚労省は、コロナの感染拡大が与える精神面での影響に関する全国調査を実施。年度末までに自治体向けの相談対応マニュアルを作成する方針。きめ細かな体制整備を後押しする考えだ。 (C)時事通信社