【パリ時事】欧州連合(EU)での新型コロナウイルスワクチン接種本格開始から、3日で1週間を迎えた。地元メディアによれば、ドイツで1回目の接種を受けた人は昨年12月末時点で13万人に上るのに対し、フランスでは今月2日時点でわずか約430人にとどまる。野党は「お役所仕事」が遅延の原因だと追及し、マクロン政権への批判を強めている。
 野党共和党の議員は昨年末、仏メディアに対し「政府のお役所仕事により、他国には見られない物流の問題が起きている」と嘆いてみせた。極右政党「国民連合」のルペン党首も3日、ツイッターに「政府は単純な物流管理もできていない。先進国の嘲笑の的だ」と書き込んだ。
 アタル政府報道官は3日、仏テレビ局LCIに出演し、ワクチン接種の遅れについて、医療従事者を優先した周辺国と異なり「高齢者施設の入所者から接種を開始し、事前説明と同意取り付けに時間を割いているためだ」と反論。「今週から接種を本格化する。1月中に100万人の接種を目指す」と強調した。
 一方、国民のワクチン不信が遅延の背景にあると指摘する声も上がる。調査会社イプソスが12月下旬に実施した世論調査で、ワクチンを「接種する」と答えたフランス人は40%。日本(60%)やドイツ(65%)など、調査対象となった全15カ国中で最低だった。イプソスによると、全ての国で「副反応への懸念」が反対理由として最も多く挙げられた。
 パリの病院に勤める救急医はフィガロ紙の取材に「仏国民の大半は反ワクチン主義者ではないが、静観を好む」と述べた。ワクチンの効果や副反応に関する丁寧な説明が必要だと主張している。 (C)時事通信社