【バンコク時事】新型コロナウイルスの感染が抑えられてきたタイで、昨年末から感染者が急増している。政府は新型コロナ対策として昨年3月に発令した非常事態宣言の期限を今月15日から2月末に延長する方針を決定。封じ込めに向け、バンコクの娯楽施設を閉鎖するなど行動規制を再び強化している。
 タイ政府が4日発表した新たな感染者は745人で、1日当たりの過去最多を記録。5日午前現在の累計感染者は8966人となり、2週間半で倍増した。
 バンコクでは年明けからバーやパブ、マッサージ店の営業が停止された。また、飲食店での夜間の食事を禁止。違反した場合、最高で禁錮1年と罰金10万バーツ(約34万5000円)のいずれかまたは双方を科す。学校は今月末まで休校となった。
 政府は他県への移動の自粛も求めている。プラユット首相は「再び全土のロックダウン(都市封鎖)はしたくない。感染を避けたければ自宅にとどまってほしい」と述べ、在宅勤務を呼び掛けた。
 タイ政府は昨年3月の感染拡大後、移動や経済活動を制限。その後も入国者に指定施設での14日間の隔離を義務付けるなど厳しい水際対策を続け、5月以降は市中感染をほぼ抑え込んだ。ところが、バンコク近郊の海鮮市場や違法賭博場で12月、クラスター(感染者集団)が相次いで発生。感染はバンコクを含む中部全域に広がった。
 タイ飲食業協会のラッダー会長は取材に対し、「立ち直りかけていた飲食店の収入が再び減ってしまう。最悪の場合、多くの店が休廃業に追い込まれるだろう」と危機感をにじませた。 (C)時事通信社