新型コロナウイルスの感染拡大を受けた緊急事態宣言をめぐり、西浦博・京都大教授(理論疫学)は6日までに、昨年春の宣言時に近い厳しい対策を講じても、東京都内の感染者が十分に減るまでに約2カ月を要するとの試算をまとめた。より緩やかな対策では、今年度内に感染が十分減ることはないとした。
 西浦教授は「人の接触を適切に減らさなければ、短期間での宣言解除はできない。流行の見通しを知った上で、対策を打つ必要がある」と話した。
 感染者1人が何人に感染させるかを示す「実効再生産数」は、1を上回れば感染者数が増え、下回れば減少に向かう。西浦教授によると、東京の再生産数は現在1.1程度。この状態が続くと仮定すると、2月末に都内で報告される感染者は1日約3500人、3月末には約7000人に達する。
 試算によると、飲食店の営業時間短縮などに限る緩やかな対策を講じ、再生産数が10%減った場合、感染者数はほぼ横ばいとなり、2月末でも1日約1300人に上る。中程度の対策を講じ、再生産数を20%減らしても、3月末時点で約230人となる。
 西浦教授によると、昨年春に近い対策を取り、再生産数を35%減らして0.7にすると、2月下旬に1日100人を下回る。そのためには、飲食店への対策を中心に、外出自粛や在宅勤務の徹底などで、家族以外が屋内で一定時間以上接することを避ける必要がある。学校教育など、感染リスクの低い活動は続けられる。
 西浦教授は厚生労働省の助言組織の一員。試算を政府に提出したが、公開しない方針が決まり、個人での公表に踏み切った。 (C)時事通信社