【パリ時事】クリスマス休暇に合わせて新型コロナウイルス感染対策を一時緩和した欧州の国々で、感染者数が増加している。フランス政府は7日、昨年12月に導入した夜間外出禁止令を一部地域で強化し、閉鎖している飲食店の営業再開を延期することなどを発表。スペインでは、一部自治州が独自に州境封鎖や飲食店の休業に乗り出した。
 仏政府は昨年12月15日、同10月末から再実施した外出制限を緩和。全土での移動制限を解除する代わりに、夜間外出を禁止した。ただ、クリスマスを家族と過ごせるよう、12月24日は夜間外出禁止令も解除した。
 仏保健省が9日に発表した新規感染者数は約2万人で、クリスマス前からやや増加している。カステックス首相は7日の記者会見で「第2波が続いている」と指摘。閣僚の一人はフィガロ紙に対し「クリスマス休暇の影響だとはまだ言えないが、警戒は緩められない」と述べた。
 仏政府は当初、飲食店の営業再開を今月20日に予定していたが、カステックス氏は少なくとも2月中旬まで延期すると発表。映画館や美術館などの文化施設も今月中は閉鎖を続ける。
 一方、スペイン政府はクリスマス休暇中、「親族に会う」場合のみ、地域をまたぐ移動を許可した。パイス紙(電子版)によると、イジャ保健相は8日の記者会見で「PCR検査の陽性率と死者数は増加し、感染状況は悪化している」と語り、「困難な数週間が待ち受けている」と危機感を示した。
 フランスやスペインがクリスマス休暇中の規制を緩和した背景には、昨年12月下旬のワクチン接種開始を受けた楽観的見方もあったとみられる。ただ、英国で見つかった新型コロナ変異種の感染拡大やワクチン接種の遅延により、今後も先行きを見通せない状況が続きそうだ。 (C)時事通信社