新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、他者とのつながりを失う「孤独」の問題が深刻化しているとして、自民党の若手有志が対策を検討する勉強会を立ち上げることが10日、分かった。月内にも始動し、当事者へのヒアリングなどを踏まえ、政府への提言を取りまとめる。
 孤独の問題は多岐にわたる。若者の引きこもりや高齢者の孤立死などを想定しがちだが世代や格差を問わない。コロナ禍で外出自粛や失業、休校などさまざまな要因で孤独を抱える人の増加が懸念されている。昨年7月以降、自殺者数が前年同月比で5カ月連続増加しており、勉強会メンバーは「孤独」との因果関係を指摘する。
 発起人の鈴木貴子衆院議員は「コロナ禍で『望まない孤独』の問題が顕在化した。国として根底にある問題を分析し、必要な支援を行うべきだ」と強調。孤独対策を政府の政策目標に定め、省庁横断的に取り組むことが必要だと指摘した。
 勉強会では、孤独対策の「先進国」とされる英国の取り組みも参考にする。同国国会議員らの調査(2017年)によると、人口の13%以上が孤独を抱えており、経済的損失が年間4.7兆円に上るという。18年には「孤独担当相」を設置し、国を挙げて取り組んでいる。
 国に孤独対策を求める動きは民間からも出ている。慶大生の大空幸星さん(22)は昨年3月、チャットによる相談窓口を運営するNPO法人「あなたのいばしょ」を設立。昨年11月末までに約2万6000人から30万件を超える相談が寄せられた。大空さんは「相談に共通しているのが孤独。相談窓口は対症療法で、問題の根源へのアプローチが必要だ」と訴える。
 大空さんは先月3日、加藤勝信官房長官に孤独に関する全国調査の実施や孤独対策基本計画の策定、担当相設置などを提言。鈴木氏らも同席した。加藤長官は同4日の記者会見で孤独について「重要な生活課題の一つと認識している」と語った。 (C)時事通信社