【ジャカルタ時事】インドネシアのジョコ大統領が13日、新型コロナウイルスのワクチンを接種した。中国の科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)製ワクチンで「国民に安全であると示す」ため接種第1号となったが、「前のめり」の印象を強く残すスタートとなった。
 インドネシア食品医薬品監督庁は先月、「ワクチンの評価期間を3月まで延長した」と報じられた。だが、今月3日に同ワクチンの地方配送が始まり、5日には保健省が13日の接種開始を発表。監督庁は押されるように11日、最終治験で65.3%の有効性を確認したとして、緊急使用許可を出した。
 一方、中国の王毅外相が12日からインドネシアを訪問し、同日、シノバック製ワクチン1500万回分の原料が到着した。ジョコ大統領は13日、接種後に王外相と会談。中国の「ワクチン外交」に一役買う形ともなったが、インドネシア外務省は時事通信の取材に「偶然の一致だ」と答えた。
 シノバック製ワクチンはインドネシアで不人気だ。昨年10月公表の世論調査によると、接種に「同意する」は31%にとどまり、42%が「拒否する」、27%は「ためらう」と回答。地元紙によると、医療関係者も2割が希望していない。
 政府は、18歳未満や妊婦を除いた1億8150万人に無料で接種させる。人口の67%に相当し、来年3月までに終える予定。ジョコ大統領は「米英の製品を含め、3億2950万回分のワクチンを注文した」と述べたが、入手済みの製品はシノバックの300万回分にとどまる。
 12日時点の感染者数は84万人余、死者数は2万4000人余で、いずれも東南アジア最多。検査人数に占める陽性率は8日以降25~31%の高水準が続いている。 (C)時事通信社