新型コロナウイルス対策のための緊急事態宣言発令が、各地の知事選に影響を及ぼしている。24日の投開票に向けた選挙戦のさなかにある岐阜県は、各陣営が「密」回避に気を使いながら有権者への浸透に懸命だ。千葉県では、3月4日告示の知事選に出馬するため、1月末に辞職する方針だった千葉市長が告示日ぎりぎりまで市長を続けると一転表明した。
 岐阜知事選は、元内閣府官房審議官の江崎禎英氏(56)、共産党が推薦する元教諭の稲垣豊子氏(69)、元県職員の新田雄司氏(36)の無所属新人3人と、5選を目指す現職の古田肇氏(73)が争う。自民党県連の支持が江崎氏と古田氏に分かれる保守分裂の構図だ。
 江崎氏は米大統領選でバイデン氏が行った支持者が車で会場に乗り付ける「ドライブイン」方式の演説会を開催。稲垣氏は屋内の演説会を屋外に移すことなどを検討中だ。新田氏は大勢が集まらないように事前告知なしの街頭演説を行う。
 これに対し、古田氏は「公務優先」の構えで、街頭演説に自ら立つことは控えている。昨年夏に行われた東京都知事選での小池百合子知事と同様の対応だ。ただ、公務に当たる姿は連日のように報道されている。公務の合間を縫って運動員が手にしたタブレット端末の画面越しで街頭演説に参加する取り組みも始めた。
 一方、千葉知事選は現職が不出馬を表明し、千葉市長の熊谷俊人氏(42)、自民が推薦する県議の関政幸氏(41)らが名乗りを上げている。
 熊谷氏は昨年11月に知事選出馬を表明。今年1月末に市長を辞職し選挙活動を本格化させる考えだったが、同県で緊急事態宣言が発令されると、「責任は果たさなければいけない」として告示前日の3月3日まで市長を続けると表明した。戦略変更を余儀なくされた形で、熊谷氏を支援する立憲民主党の県連幹部は「宣言が出た以上、計画通りに辞める選択肢はないが、かなり不利。千葉市外での知名度が課題なのに」と漏らす。
 関氏側の受け止めも複雑だ。自民県連幹部は「熊谷氏の選挙活動が制限されるなら、こちらにはプラス」としつつ、「市長を辞めない方が賢い。コロナ対策を一生懸命やって成果を出せば、いいアピールになる」と警戒もしている。
 千葉知事選には、元同県船橋市議の門田正則氏(73)、元県立高校校長の皆川真一郎氏(66)らも出馬を表明している。 (C)時事通信社