【チュニス時事】中東の民主化運動「アラブの春」の発端となった革命から10年を迎えたチュニジアで、市民が新型コロナウイルス感染拡大を理由としたロックダウン(都市封鎖)に「デモ封じ目的だ」と不満を強めている。革命後も経済が好転せずにいら立ちが募る中、政府は批判の高まりに神経をとがらせている。
 チュニジアでは14~17日に封鎖を実施。初日は約23年続いたベンアリ独裁政権が2011年に崩壊した革命の記念日で、例年はデモや集会が開かれるが、今年は首都チュニス中心部は閑散としていた。期間中の街頭では、警察が外出する人に理由を尋ねるなど目を光らせている。
 日中も大半の飲食店が営業を停止。外出禁止時間帯も拡大され、集会は禁じられた。しかし「4日間だけの封鎖に感染抑止効果があるとは思えない。政治的意図があるのは明らか」(地元記者)との声がもっぱらだ。
 集会禁止命令に反し、14日にはチュニス市内で、革命時の治安部隊との衝突で負傷した人々ら数十人が抗議デモを展開。警官隊と小競り合いとなる騒ぎも起きた。革命で銃撃を受け右足を切断したカスダラさん(31)もデモに参加し、「政府はわれわれを死人のように無視し、何の支援も尊厳も与えない。革命の清算が済んでいない」と憤った。 (C)時事通信社