英国で急速に拡大している新型コロナウイルスの変異種に、渡航歴のない3人が感染していたことが分かった。周囲で感染が広がっている可能性があり、専門家は「広がりの程度を調べ、さらなる拡大を防ぐ必要がある」と指摘している。
 変異種は、ウイルスが人の細胞に侵入する際に用いる「スパイクタンパク」などの計23カ所で変異が生じている。英国での急激な広がり方から、感染力が最大で7割高まった可能性があるとみられている。
 毒性が強まったことを示すデータはない。しかし、実際に感染力が強く、国内でも広がった場合は感染者が急増し、逼迫(ひっぱく)している医療体制への負荷が大きくなる。
 沖縄県立中部病院の高山義浩医師(感染症内科)は、地域での広がりがあると考えて対策を講じるべきだと指摘。「静岡県内の感染者のウイルスのゲノム解析を迅速かつ幅広く行い、変異ウイルスが地域で流行しているかどうか確認する必要がある。その結果に応じ、知事が緊急事態宣言に準じた行動制限を求めることも検討した方がいい」と話す。
 個人はマスク着用や手洗い、「3密」回避など従来の対策を徹底するほか、宴会など感染リスクの高い行動はこれまで以上に避けるべきだという。
 変異種への感染は、静岡県以外の地域でも起きている可能性がある。高山医師は「感染者数の増加が速い地域では特に、ウイルスの解析を強める必要がある」と求めた。 (C)時事通信社