【ロンドン時事】変異した新型コロナウイルスが猛威を振るう英国では、感染拡大阻止のため1月初めから学校の休校措置が再導入されている。1日の感染判明者が数万人というレベルが続く中、ジョンソン首相は解除の見通しを示せない。現在の休校が「春以降も続くのではないか」と疑う見方も出てきて、議会でも大きな議論となった。懸念が深まっている。
 ◇近づく「2月」
 イングランドでは年明け早々、変異ウイルスの拡大を受けた3度目のロックダウン(都市封鎖)が敷かれ、冬休み明けの学校再開も取りやめられ家庭学習となった。学校閉鎖について政府は当初「少なくとも2月中旬まで」と述べていた。
 しかし、事態は1月下旬になった今も改善していない。学校再開の見通しは立たないままだ。家にいる子供の世話で親の疲弊は増している。
 学習環境の格差も問題だ。自宅にパソコンがなくオンライン学習ができない貧困家庭の子供も少なくない。「(教育機会が)失われた世代」が生み出される恐れが指摘されている。
 2月の学校再開が期待される中、ハンコック保健相は24日、言葉を濁した。再開が4月に遅れることさえ確約を避けたと報じられた。これを受け与党保守党内からジョンソン首相への不信感が噴出し、保守党議員団は学校再開に向けた「行程表」を示すよう政府に要求している。背後には、限界が近い親たちの団体からの強い圧力がある。
 下院教育委員会のハルフォン委員長(保守党)はBBC放送のインタビューで、学校がいつ始まるのか「非常に不明瞭」なことがそもそも問題だと指摘。他の規制を強化してでも学校を早期に再開すべきだと主張した。
 ◇春も保証なし
 苦しいジョンソン首相は25日、ワクチン接種施設を視察した際、記者団に対し「できる限り早く」再開時期を決断すると述べるのが精いっぱいだった。しかし、今の状況で規制緩和はできないとも強調した。最大の課題だった欧州連合(EU)離脱を成し遂げ、求心力維持が課題のジョンソン首相にとって、党内からの揺さぶりは厄介だ。
 英国では4月の復活祭(イースター)に学校のまとまった休みがあり、一つの節目とみられている。早くも「イースター後も学校が再開する保証はない」(ガーディアン紙)と報じられ、出口は一向に見えない。不安を抱える親は多い。
 英国の感染者の累計は約370万人。これまで世界4位で不動だったロシアと同じ水準だ。死者も約10万人で、米国、ブラジル、インド、メキシコに次いで多い。何より昨年12月から1日当たりの新たな感染者が約3万~約7万人で推移しており、この感染者数を減少させることがまず大きな課題となっている。 (C)時事通信社