【ロンドン時事】英国で26日、新型コロナウイルス感染による死者数が10万人を超えた。死者が10万人に達するのは欧州初で、世界で5番目。社会生活の厳しい規制が続く中で迎えた「冷厳な節目」(英メディア)だ。ウイルスとの闘いで出口が一向に見えない中、疲弊感は増し、不安と不満が社会に募っている。
 政府統計によると、26日時点で死者数は計10万162人。昨年末に確認された感染力の強い変異ウイルスが死者数を急速に押し上げ、規制強化にもかかわらず最近は1日の死者が1000人を超える日も多かった。昨春の第1波の際、保健当局者はコロナ禍の見通しについて「死者が2万人未満なら良い結果」と述べていたが、これを大幅に上回る欧州最悪の事態となった。
 イングランドは3度目のロックダウン(都市封鎖)に置かれ、人々は規制だらけの息苦しい生活を長期にわたり強いられている。死者10万人超えに加え、1日の新規感染者が数万人という状況の中、近く規制緩和が実施される見込みはゼロに近い。春以降も封鎖が続くと疑う臆測も流れ、国民の間では「なぜこんな事態に」「いつになったら普通の生活に戻れるのか」と不満を語り合うのが日常になった。
 唯一の希望がワクチンだ。先月始まった予防接種は「驚異的なスピード」で進み、これまでに680万人以上が少なくとも1回の接種を済ませた。2月中旬までに高齢者ら優先グループ1500万人の接種を完了させる政府目標も達成される見込みで、ジョンソン首相は計画進展を「元気づけられる」と称賛した。
 ただ、ワクチンの効果が表れるのはまだ先になる。感染対策の規制に関しハンコック保健相は「ワクチンは出口を提供するが、まだやめることはできない」と訴え、忍耐を国民に求めている。 (C)時事通信社