【北京時事】新型コロナウイルスの発生源を調べるため中国湖北省武漢市に入っている世界保健機関(WHO)調査団は31日、2019年12月に最初に集団感染が確認された華南海鮮市場を視察した。中国側が焦点だった現場の調査をようやく認めた形だが、感染確認から1年以上が経過しており、発生源特定につながる手掛かりを得られるかは不透明だ。
 ロイター通信によると、調査団は同日午後、市中心部にある市場を訪れ、約1時間滞在した。メンバーの一人はツイッターに「19年末に感染拡大が始まった新型コロナを理解するのに有益で重要な場所を訪れた」と投稿した。周辺には大勢の警察関係者が配備され、取材しようとする外国メディアを阻止する場面もあった。市場は昨年1月1日に閉鎖されて以降、立ち入りが厳しく制限されていた。
 武漢市政府は19年12月31日、華南海鮮市場の商店主ら27人が相次いで「原因不明の肺炎」を発症したと初めて公表。中国当局は当初、市場で売られていた野生動物が感染源との見方を強め、昨年2月には野生動物の取引を全国で禁止した。
 しかし、世界各地で武漢よりも前にウイルスが広がっていた可能性を示す研究報告が出ていることや、輸入冷凍食品からのウイルス検出などを根拠に、「武漢の感染も輸入食品が引き起こした可能性がある」(中国の専門家)と主張するようになっている。
 中国側は、武漢がウイルスの発生源と特定され、世界から批判を受けることを警戒。米国などが発生源の可能性を指摘してきた武漢ウイルス研究所への調査団訪問を認める意向を示す一方で、「WHOと中国の専門家同士がウイルス起源について交流・協力を行うもので、調査ではない」(趙立堅・外務省副報道局長)と強調する。1月29日から始まった現地視察では、中国当局のコロナ対策を宣伝する展示会や、感染源と関連のない市場を調査団に見学させるなど、中国主導で日程を組んでいる。 (C)時事通信社