JR東日本は1日、走行中の新幹線の車両内でウェブ会議や携帯電話の通話ができる「新幹線オフィス」の実証実験を始めた。新型コロナウイルスの影響による多様な働き方の広まりを受けた実験で、東北新幹線の東京―仙台間で1日当たり8~10本運転し、効果を検証する。
 1編成に1両ずつ設けられた「リモートワーク推奨車両」では、座席に間隔を空けて座りウェブ会議や電話などでの音声通話ができ、モバイルルーターの貸し出しも受けられる。プライバシー確保や周囲に会話内容が漏れることを防ぐため、「情報マスキング音」を流す機器も設置されている。
 乗客は別の車両に席を確保し、ウェブ会議などに出席する際に推奨車両を利用する。かつての食堂車のように、追加料金なしで自由に利用できるという。
 実証実験を担当するJR東事業創造本部の中村元・副課長は「テレワークの広がりで、オフィスの在り方も今後変わってくると考えている。新幹線の中での移動時間も有効に使ってほしい」と話した。
 この日、出張で新幹線を利用した仙台市の建設業吉田智明さん(60)は「仕事で頻繁に新幹線を利用する。車内の通路でお客さんと20分以上電話することもあり、座って落ち着いて通話できるのは大変便利」と期待した。 (C)時事通信社