新型コロナウイルス禍が、球春から歓声を消した。プロ野球の春季キャンプは無観客で始まり、新外国人の合流が遅れるなど戦力の整備に支障も。各球団は感染予防策を練るなど、「ウィズコロナ」の対応に奔走する。
 巨人のキャンプ地周辺には、観戦禁止を告げる看板が立ち並んだ。チームの全員に宮崎入りの前と後にPCR検査を行い、のどに吹きかける除菌剤を配布。楽天は離島である久米島の医療体制を考慮し、沖縄本島での実施に変更した。則本昂は「寂しいし、例年の久米島へ行けず違和感がある」と話す。
 静かな球場が与える影響は、高揚感だけではない。巨人の原監督は「ファンがいて、切磋琢磨(せっさたくま)するのは選手にとって大きな肥やし。つくづく残念だと思う」。成長も促す視線と声援の欠如を嘆いた。
 感染拡大防止の観点で外国人選手の合流が遅れているのも悩みの種だ。ソフトバンクはモイネロやグラシアルらが不在。工藤監督は「(来日時の)隔離も考えると、状態は落ちる。そこは考えないといけない」と危惧した。
 DeNAは球場周辺の特設ショップ開設を中止。グッズ販売による収入への打撃に加え、担当者は「ファンがグッズを買い、サインをもらったりする機会がないのは残念」とこぼす。地域の消費活動にも影響が。宮崎・青島神社周辺は閑散とし、みやげ物屋の女性店員は「例年は巨人ファンも参拝に来ていたのに。今年は厳しい」。かつての日常が戻ることを願っている。 (C)時事通信社