【ワシントン時事】新型コロナウイルス克服へ団結を訴えるバイデン米大統領が、正念場に立たされている。超党派での追加経済対策を目指していたが、反対する野党共和党を見限り、与党民主党主導による早期成立を視野に入れ始めた。「トランプ時代」は終わったが、党派分断は癒えない恐れがある。
 「できるなら追加対策法案が共和党の賛同も得て可決されることを支持するが、(反対の)言い訳があってはならない」。民主党のバイデン氏は1月29日、超党派による法案可決の見通しを記者団に問われてこう答えた。
 昨年の経済成長率はマイナス3.5%と、終戦直後の1946年以来74年ぶりの大幅な落ち込みを記録。バイデン氏は1人1400ドル(約15万円)の現金給付を含む1兆9000億ドル(約200兆円)規模の支援案を示し、議会に「今行動が必要だ」と成立を促している。
 トランプ前政権下の昨年末に成立したコロナ経済対策は、民主党と共和党の対立で決着まで半年以上を費やした。バイデン氏は党派を超えた団結で追加対策を早期に実現し、国難を乗り切る指導力をアピールしたい考えだ。
 民主党は下院で多数派を占めるものの、上院(定数100)は50議席ずつの同数。円滑な法案可決には実質的に60の賛成が必要で共和党の協力は不可欠だ。だが民主党では、「財政調整措置」と呼ばれる奥の手を用い、上院議長を兼ねるハリス副大統領を加えた51議席で法案を通すべきだとの主張が勢いづいている。
 共和党の穏健派上院議員団は31日、財政悪化を考慮し、6000億ドル規模に縮小した追加対策をバイデン氏に提案した。バイデン氏は2月1日、議員団とホワイトハウスで協議する。
 議員団の一人は、政権が共和党を切り捨て、民主党主導で追加対策を成立させれば「(バイデン氏の)本質を決定付ける」と懸念。トランプ前政権下で進んだ深刻な党派対立が、バイデン政権下でも影を落とすと警告した。 (C)時事通信社