自民、公明両党の衆院議員計4人は1日、緊急事態宣言中の深夜に東京・銀座のクラブを訪れた問題で、離党や議員辞職に追い込まれた。政府・与党が当初、事態を甘く見た結果、「引責ドミノ」を招いた格好。新型コロナウイルス対策で世論の批判を浴び、内閣支持率の下落に直面する菅義偉首相は、一段と厳しい政権運営を強いられそうだ。
 「国民の批判を謙虚に受け止めたい。信頼回復に党を挙げて努力したい」。自民党の二階俊博幹事長は1日夕、国会内で記者団に言葉少なに語った。公明党の山口那津男代表も「国民に強い政治不信をもたらした。本当に申し訳ない」と頭を下げた。
 自民党の松本純元国家公安委員長は先月29日、週刊新潮に「銀座通い」を報じられて国対委員長代理を辞任した際、記者団に「1人だった」と説明。同席していた田野瀬太道文部科学副大臣、大塚高司国対副委員長の存在を明かさなかった。
 ところが、週末にかけて田野瀬氏も同誌に写真を撮られた可能性が浮上。この報告を受けた首相は、さらなる処分が必要だと判断した。結果的に3人が離党する事態となり、党幹部は「先週のうちに全員辞めておくべきだった。傷口を広げた」と嘆いた。
 公明党の対応も迷走した。遠山清彦前幹事長代理の問題が発覚した当初、党幹部は「大げさなことではない」と楽観。厳重注意で幕引きを図ろうとしたものの、自民党が松本氏の役職辞任を決めると、慌てて追随した。
 しかし、党本部などにはこの週末、抗議電話が殺到。支持母体の創価学会も、選挙の実動部隊となる婦人部を中心に、遠山氏への批判が相次いだという。
 公明党は今年、国政選挙並みに重視する7月の東京都議選、秋までの衆院選を控える。最終的に遠山氏の議員辞職を決断せざるを得なかった党幹部の心中を、関係者は「選挙への影響を恐れたんだろう」と推し量った。
 与党は最近の地方選で苦戦が続く。1月17日の沖縄県宮古島市長選と同31日の東京都千代田区長選は、いずれも推薦候補が敗北。同日の北九州市議選は自民党の現職22人中6人が落選した。同党幹部は「これから全ての選挙がきつくなる。負の連鎖だ」と危機感を隠さなかった。
 これに対し、立憲民主党の安住淳国対委員長は記者団に「うそをついて飲食を隠したことは許されない」と非難。「1人の飲食が分かった時点で調査しなかった首相の責任も大きい」として厳しく追及する考えを示した。 (C)時事通信社