新型コロナウイルスの世界的流行が続く中、来年2月4日開幕の北京五輪まで間もなく1年となる。プレシーズンにもかかわらず、厳しい入国制限のため中国でのテスト大会や国外からの現地視察は中止となった。具体的に本番を見通せる選手、関係者は多くない。
 今年2~3月に予定されていた各競技のテスト大会が軒並み中止となり、選手は本番まで会場を見ることもできないのかと気をもむ状況になった。フィギュアスケートやスピードスケートは今年10月の開催が決定したが、スキーやスノーボードは代替日程が明らかになっていない。
 選手の中には「みんな同じ条件なので」と気にしない声もあるが、微妙なコンディションの差にも影響される高いレベルで競技に取り組んでいるだけに、「ぶっつけ本番」には懸念がある。2014年ソチ五輪の際、雪不足で1年前のテスト大会ができなかったスノーボード・スロープスタイルの選手が、大会直前の練習で大けがをして出場を断念した事例もある。
 一方で、競技会場の新設、既存施設の改修は昨年中に完了。大会組織委員会の執行副主席を務める張建東・北京副市長は「新型コロナは生活に多大な影響を与えているが、われわれの責任感は強い。スポーツと感染防止の両方を成し遂げる」と断言する。新華社などによると、1月中旬には習近平国家主席が視察し、感染拡大リスクを抑えるための施設整備も指示したという。
 日本オリンピック委員会(JOC)の関係者は「選手が一番大変だろうけど、われわれも現場に行けないのでは何も進まない」と訴える。現地の活動拠点となるジャパンハウスなどの場所選定もめどが立たない。今夏の東京五輪の開催が危ぶまれる中、フィギュアスケート男子の羽生結弦(ANA)は昨年12月、「今の状況で冬の五輪を考えている場合ではない」と胸の内を語った。 (C)時事通信社