1カ月延長される緊急事態宣言。時短営業が続く飲食店だけでなく、その取引業者も大幅な売り上げ減に苦しむ。救済措置も乏しいまま苦境が長期化するおしぼりや食材の業者からは2日、嘆きが漏れた。
 「歯を食いしばり耐えるしかない」。首都圏でレンタルおしぼり業などを営む「第一タイムリー」(千葉県八千代市)の前島鉄生社長は、延長につらさをにじませた。6万円の協力金をもらい休業する納入先も多く、その分売り上げは減っていく。工場は稼働を週4日に減らしたが、それでも定時の2時間以上前に作業が終わる。出荷は4割減で、在庫が積み上がる。
 納入業者には40万円の一時金が支給される予定だが、前島社長は「売り上げ5割減が対象だが、半減もしたら会社は終わり。金額も条件も到底見合っていない」と注文を付けた。
 飲食店向けに硬く溶けにくい「純氷」を製造販売する「冨士氷室」(東京都渋谷区)は、1月の売り上げが前年の3分の1に落ち込んだ。取引先は、夜8時以降の営業が中心のバーやキャバクラが大半。時短要請に従わず注文が倍に増えた店も一部あったが、納入先の8割は宣言期間中、店を閉めており、その分の売り上げは消えた。
 植松寛社長は宣言延長にも「驚きはない」と話す。ただ「営業自粛が飲食店だけでは緊迫感がない。短期間で済ますために全業種で徹底的にすべきだった」と苦言。「延長はこれで最後にしてほしい」とつぶやいた。
 関西の飲食店に冷凍食品を納入する神戸市の企業は、売り上げが4割減。特に感染が拡大した大阪市内向けは半分以下という。男性社長は「こんなに長引くとは。延長で売掛金が回収できなくなることも覚悟している」と話す。大阪市の食品卸会社の担当者は「一時金は埋め合わせにもならず、工夫して営業しても限界がある。納入業者には目を向けてもらえていない」と嘆いた。 (C)時事通信社